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中山 真一; 安 俊弘*; 池田 孝夫*; 大江 俊昭*; 河西 基*; 塚本 政樹*; 木村 英雄; 宗像 雅広
日本原子力学会誌, 34(4), p.342 - 364, 1992/04
被引用回数:2 パーセンタイル:27.46(Nuclear Science & Technology)高レベル放射性廃棄物ガラス固化体から放出される放射性核種の人工バリア内での移行をモデル化し、緩衝材と岩盤との境界におけるTc,CsおよびNpのフラックスを求めた。本解析の特徴的な点は、(1)多孔質媒体である緩衝材中の物質移動は、移流効果が無視でき拡散支配であることを、処分孔周辺の地下水流動解析から明らかにしたこと、(2)ガラス固化体からの放射性核種の放出挙動を地下水とガラス固化体、オーバーパック、緩衝材との地球化学的反応を考慮して解析したこと、(3)緩衝材中のNpの移行挙動に酸化還元反応を考慮したこと、(4)球状と無限円柱状の固化体形状の相違による核種放出率の相違を比較したこと、である。今回の解析は合理的で説得力のある統合評価モデルへの第一歩であり、この解析を通して、確たる根拠のない暗黙の過程やさらに考慮すべき現象を抽出し、性能評価モデル開発のための今後の研究方向や課題の提言を行なった。